あー落ち着く。 こう思えるまで、そう時間はかからなかった。 あんなに嫌いだった街が落ち着くなんて。 不意に口を突いて出てきた自分の言葉に、はっとする。
もう何年だろう、あの街を離れて。 いつからあの家が、落ち着かなくなっていたんだろう。 出た後から? 出る前から? だからと言って、 この街が僕を受け入れてくれているなんて、 これっぽっちも思わない。 でも、それでもいい。 帰ってきたと思えるから。
(写真:2号/言葉:1号)